今回は過年度の第三回目になりますね。

馬の蹄鉄からナイフを作ったお話です。

基本的に過年度分の記事は覚えていないところは省きます。

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2015/??/??

鍛造ナイフの処女作になります。(多分)
知り合いから馬の蹄鉄をもらい受けることになったので

「鉄の種類なんて関係ねぇ、物は試しだ!!」ってことで作りました。

まず馬の蹄鉄はこんなのです。
illustrain10-eto-uma23
 
それを二つにぶった切って火の中にぶち込みます。
赤くなったら叩くを繰り返して形にしていきます。

NCM_0894
 ↑右がぶった切ってちょっと真っすぐにしたやつ。
  左が叩いて伸ばして、削ってナイフ様にしたやつ。


ここまでは誰でもできますね。
この作業ですがナイフについて少しばかり知識を身に着け始めた時の作品なので設計図なんて作ってません完全に感覚で叩きました。

NCM_0897
 ↑上の二本が今回作ったやつ。
  一つの蹄鉄から二本は作れます。


NCM_0896
 ↑焼き入れをして刃を付けました。
 
この段階では鋼材の種類によって焼き入れの温度が変わるなんて思ってませんでした。
”The適当蹄鉄ナイフ”とでも名付けましょう。

ハンドル材に使ったのはバーチバーク(白樺の樹皮)初心者が樹皮の積層ハンドルなんて難しいに決まってますが、作りたかったんですね。

NCM_0902
 ↑左の輪ゴムでまとまってるのが樹皮です。

ボルスターは鹿角、エンドボルスターは真鍮の鉄板(確か3mm厚)。

そして出来上がったのがこちら
NCM_0908-1
 ↑見た目はまぁまずまずの仕上がりですね。

この時の自分は知識が足りなかった…。
作ってみて気づきました。
一枚一枚は何でくっつけたの…?
くっつけてないんですね。

無知なのになぜ作ろうとしたかは昔の自分に誰か聞いてください。

一枚一枚がばらばらの状態で圧縮しているだけ、圧縮も適当。
これじゃお粗末な出来にしかなりません。
握るとハンドルが動きます。笑


これじゃあ使い物にならないのでここまでの努力を無に帰すことに。
初心者でもできるやつにしました。
NCM_0923
 ↑樹皮をすべて取り去り、白樺の木材を使いました。

NCM_0953
 ↑下が一号、上が二号です。

二号の方は最初から木材を使用しました。

NCM_0952



これで何とか両方とも使えそうですね。

続いてシースです。
とりあえず見てもらいましょうか。

NCM_0931
 ↑実に気持ち悪いですね。
  形にもなってません。

そして悩んだ末、Bush n' Bladeの大泉さん作 プーッコを真似て作りました。

NCM_1008
 ↑もうまるパクリですね。
  独自性の欠片もない。

この作品は先輩に無理やり押し付けました。笑

そしてもう一本の方は独自性を発揮しました。
改良を重ねて自分の手に合わせて作り変えました。

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 ↑シースも頑張りました。

そんなこんなで”The適当蹄鉄ナイフ”一号と二号が出来上がりました。

出来上がったナイフで木を削ったのですが刃がすぐ捲れ上がりました。
当時は意味が分からなかったよね。知識がないから。

スカンジグラインド(フラットグラインド)にすると捲れ上がってしまうのでコンベックスグラインドにするとチップしないし捲れ上がらないし切れ味もまずまずになりました。

予期していない出来事が起きたとしても、人に売るわけじゃないから何とかごまかせるのが良いところですね。

~参考~
馬の蹄鉄は一般的に炭素含有量が0.05~0.15%(低炭素鋼)
焼き入れしてもマルテンサイト組織が少ないからチップするほど硬くはならないよね。



p.s.

知識って大切だなー。